【希少価値が高いブルー・グリーンダイヤ】オーシャン・ドリーム

緑色のダイヤモンドはどうやって生まれる？

ダイヤモンドは、炭素の集合体とされています。今でこそ人工のダイヤモンドがありますが、人間が容易に生成できるものではありません。
天然のダイヤモンドは、なんと地球の表面から200キロメートルも深い地中でつくられているのです。地下200キロメートルは上部マントルと呼ばれる場所。そこでダイヤモンドのもととなる炭素に、極度の高熱と高圧が加わります。

何千年、何億年とかけてゆっくりと上昇し、地表に現れたものがダイヤモンドとなります。自然の力が果てしない時間をかけて作り出すダイヤモンド。天然のダイヤモンドが高価なのも頷けますよね。

一方でオーシャン・ドリームのような天然の緑色のダイヤモンドは、上記にさらなる特殊な条件が加わることでつくられます。それは、ダイヤモンド原石の近くに放射能を放つ岩石があること。 その放射能を何千年も浴び続けることによって、緑色のダイヤモンドができるのです。
原石の隣に偶然放射能岩石があるという限定的な状況であることが、ほかのダイヤモンドと異なるところです。 また、緑色の濃さは放射能のタイプによって違いがあり、ベータ(β)線を浴びたものはより深い緑色となって、希少価値が上がります。

ちなみに天然の緑色のダイヤモンドは、オーシャン・ドリームのほかに「ドレスデン・グリーン」などがあります。どちらも極めて貴重なもので、このようなダイヤモンドが市場に出ることはほとんどありません。

グリーン・ダイヤモンドの特徴

天然のカラーダイヤモンド（ファンシー・カラー・ダイヤモンド）は、無色透明のダイヤモンドよりも高価であり、色の濃度や純度によって希少価値が決まります。
レッド・ダイヤモンドやウィンストン・ブルーといった、他のカラー・ダイヤモンドに比べると、グリーン・ダイヤモンドの色は天然か人為的なものなかという判別が難しい傾向にあります。そのため、米国宝石学会（GIA）では、グリーン・ダイヤモンドの30％ほどは色の判定ができないとしています。

グリーンダイヤモンドの代表格・オーシャン・ドリームは、「Fancy Deep Blue Green（ファンシー・ディープ・ブルーグリーン）」というカラー評価の通り、まるで深い海を思わせる美しい青緑色をしています。この色が自然に生み出されるのは極めて稀で、世界でも大変希少価値の高いダイヤモンドのひとつです。

発掘場所も研磨職人も不明！謎の多いオーシャン・ドリーム

グリーン・ダイヤモンドの代表格にありながら、発掘場所はもとよりカッティングや研磨をした職人が誰かもわかっていません。
一説には原石が中央アフリカ共和国で発掘されたとされていますが、実際にどの発掘場所で見つかったのかは謎のまま。

多くの謎を秘めたオーシャン・ドリーム。その神秘性が特徴的な美しさをより一層際立たせるのかもしれませんね。

グリーン・ダイヤモンドの価値

現代の技術で人工的に着色を施したカラー・ダイヤモンドを作ることが可能です。しかし自然発生のファンシー・カラー・ダイヤモンドと比較すると、やはり希少価値という点で、価格は下がってしまいます。

オーシャン・ドリームのような天然の緑色のダイヤモンドは、その希少性から市場に流通することはなく、入手は困難を極めます。存在するもののほとんどは、コレクターが所有していると考えてよいでしょう。

実際、オーシャン・ドリームは、2014年5月にスイスのジュネーブで開催されたオークションで、約863万ドルで買収されたそうです。その額、日本円にしてなんと9億8千万円。この莫大な金額は、それだけの価値があるダイヤモンドだという証でもあります。

現在オーシャン・ドリームを所収しているのは、アメリカの「コラ・ダイヤモンド・コーポレーション」。海外の人気セレブが着用している宝石を手掛け、世界でも注目されているジュエリーブランドです。
とくにファンシー・カラー・ダイヤモンドのカッティングに力を入れており、そのデザインや販売も行っています。

ミステリアスなグリーン・ダイヤモンドは地球からのプレゼント

他に類をみない色合いと、多くの謎を秘めたミステリアスなグリーン・ダイヤモンド。世界にはこのような美しいダイヤモンドが存在していると考えると、なんだか心が躍りますね。はかり知れない時間をかけて自然が生み出すダイヤモンドは、地球が人類へ贈る奇跡のプレゼントなのかもしれません。