【色が変わる不思議なダイヤ】カメレオンダイヤ

2020年4月14日 火曜日

【色が変わる不思議なダイヤ】カメレオンダイヤ

INDEX

  1. 1. 色が変わるカメレオンダイヤモンドの特徴
    1. 通常のカラーダイヤモンドやアレキサンドライトとの違いは色が変化する条件
    2. カメレオンダイヤモンドが色を変える理由は水素の含有率によると考えられている
  2. 2. 「カメレオンダイヤモンド」という名前の由来
  3. 3. カメレオンダイヤモンドはどのように色が変わる?
    1. 光を当てたときに一時的に変化する
    2. 200〜300℃まで加熱することで緑から黄色へ変化する
  4. 4. カメレオンダイヤモンドには色が変化する不思議な特徴がある

ダイヤモンドといえば無色透明のものや、ピンク、ブルー、赤色や紫色などのカラーダイヤモンドを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、ダイヤモンドのなかには特定の条件下でさまざまに色を変えるものがあり、その世にも珍しい性質から「カメレオンダイヤモンド」と呼ばれています。

そこで今回は、カメレオンダイヤモンドの特徴をまとめました。カメレオンダイヤモンドが色を変える理由や、カメレオンという名前がつけられたいきさつ、ダイヤが色を変える条件などをわかりやすく解説します。

色が変わるカメレオンダイヤモンドの特徴

特定の条件下で色が変わるカメレオンダイヤモンドは、美しい色彩を持つカラーダイヤモンドの一種です。しかし、暗所に保管したあとで光を当てたり、加熱したりすることで、カメレオンダイヤは色を変化させます。まずは通常のカラーダイヤモンドとのちがいや、特定の条件下で色が変わる理由を解説します。

通常のカラーダイヤモンドやアレキサンドライトとの違いは色が変化する条件

カラーダイヤモンドとは、炭素の結晶構造が圧力によって変形し、特定のスペクトルの光を吸収するため、肉眼で赤色、ピンク色、紫色や青色などに見えるダイヤモンドのことです。一般的なカメレオンダイヤも、通常の状態ではオリーブ色や、灰色がかった緑色をしているものがほとんどです。

しかし、カメレオンダイヤモンドは特定の条件下でレモン色やオレンジ色に変化する特徴を持ちます。稀なケースでは、緑色がより強くなるタイプのダイヤモンドも存在します。

似たような宝石として、太陽光を当てると青色に変化し、人工光に当てると赤色に変化するアレキサンドライトがあります。しかし、カメレオンダイヤとは色が変わる条件がちがいます。カメレオンダイヤも光を当てることで一時的に色が変わりますが、アレキサンドライトのように、光の屈折や反射がかかわる光学現象が原因ではありません。また、カメレオンダイヤの場合は、200℃から300℃の熱をゆっくりと加えることでも、あざやかに色が変化します。

カメレオンダイヤモンドが色を変える理由は水素の含有率によると考えられている

カメレオンダイヤモンドが色を変える理由ですが、実は科学的なメカニズムはまだわかっていません。しかし、カメレオンダイヤには水素の含有率が高いという共通点があります。ダイヤモンドに微量に含まれた水素がなんらかの役割を果たし、光や熱による変色現象を起こしていると考えられています。

「カメレオンダイヤモンド」という名前の由来

「カメレオンダイヤモンド」が初めて発見されたのは、1943年のことです。とあるアメリカの宝石店主が、2.24カラットのオリーブ色のダイヤをヨーロッパに送り届けたところ、到着するころにはレモン色に変色してしまっていました。その際にダイヤモンドをよく調べたところ、カメレオンのように特定の条件下で色が変わる特徴が見つかったのです。その一件がきっかけで、光や熱によって色が変わるダイヤモンドは、カメレオンダイヤモンドと命名されました。

カメレオンダイヤモンドはどのように色が変わる?

カメレオンダイヤモンドの色が変わる原因は、光と熱の2種類です。より鮮やかに色が変わるのは加熱した場合ですが、日常生活ではむずかしいため、光を当てる方法がおすすめです。カメレオンダイヤの色が変化する条件を解説します。

光を当てたときに一時的に変化する

カメレオンダイヤモンドは光を当てることによって色が変化します。しかし、太陽光と人工光のような光源のちがいによって色が変化するアレキサンドライトとは原因がちがいます。カメレオンダイヤを光の当たらない冷暗所に保管し、明るい部屋で取り出すことで、一時的な光の変化が見られます。

カメレオンダイヤモンドをジュエリーとして加工した場合は、金庫などの冷暗所に一定期間保管しておく方法がおすすめです。加熱した場合とくらべて色の変化はゆるやかですが、婚約指輪やネックレスなどを傷つける心配がなく、いつでも色の変化を楽しむことができます。

200〜300℃まで加熱することで緑から黄色へ変化する

カメレオンダイヤモンドをゆるやかに温度変化させ、200℃から300℃まで加熱することでも色の変化が見られます。カメレオンダイヤに光を当てた場合とくらべ、グリーン系統からイエロー系統へと色鮮やかに変化します。加熱後はゆっくりと色がもどり、1分から2分ほどで元の色に回帰します。

カメレオンダイヤモンドには色が変化する不思議な特徴がある

カメレオンダイヤモンドの特徴を解説してきましたが、いかがでしょうか。数あるカラーダイヤモンドのなかでも、特定の条件下で色が変わるカメレオンダイヤには希少価値があります。色の変化を楽しむにはカメレオンダイヤを200℃から300℃まで加熱する方法や、冷暗所に保管してから明るい場所に取り出す方法がありますが、日常生活では後者がおすすめです。