マーキスカットダイヤモンドの始まりと魅力
2020年4月14日 火曜日
INDEX
マーキスカットダイヤモンドとは、どのような特徴があるのか紹介します。名前の由来や、どのようなジュエリーで活用されているのか解説していきます。
マーキスカットダイヤモンドとは?
マーキスカットダイヤモンドは、ダイヤモンドのカット技法の1つです。小さなダイヤでも大きく見えます。
また複数組み合わせて、花や蝶々のようなデザインに仕立てられるカット技法です。
マーキスカットダイヤモンドの形状
マーキスカットダイヤモンドの形状は、ラグビーボールのような楕円形です。長細い形から、「小舟に似た形」と表現されることもあります。別名「水蕾型(すいらいがた)」とも呼ぶデザインです。
マーキスカットにするには、ダイヤを楕円形に整えながら両端を尖らせます。カットは58面体か18面体です。より輝きを求める場合は、18面体を用います。
小粒ダイヤを大きく見せたいときに活用するデザイン
ダイヤモンドをマーキスカットにすると、小粒でも大きく見えるため、小さなダイヤによく用いられます。同じカラット数のダイヤと比べても、マーキスカットのダイヤは大きく見えます。
単体で用いることは少なく、複数を組み合わせるのが一般的です。またメインのダイヤを際立たせる効果もあるため、周りに配置し輝きを引き出す場合にも使います。
マーキスカットの由来
マーキスカットは名前の由来となった人物がいます。マーキスは「伯爵」の意味を持ち、フランスのルイ15世の愛人であったポンパドール伯爵夫人にちなみます。
ポンパドール夫人に伯爵の称号が贈られたのが名前の由来になった
ポンパドール夫人は、フランス国王ルイ15世の愛人でした。日本語でいえば「公妾」です。公妾とは正式な妻ではなくても、愛人として公になっている存在です。
平民生まれの彼女は美貌や学力も高く、ルイ15世を魅せる存在となりました。そして、公妾として認められてから政治にも関わるようになります。
そんな存在力が高いポンパドール夫人に対し、ルイ15世が「伯爵」称号を与え、そのときに流行っていたダイヤのカットにマーキスの名前が付けられました。
マーキスカットダイヤモンドが持つ魅力
マーキスカットの魅力は、優雅な曲線を描く柔らかさと、先端の鋭利な面で相反する2つの面を持つことです。ダイヤそのものを大きく見せる効果や、周りに配置した宝石の存在感も引き出してくれます。
モチーフにしやすいデザイン
マーキスカットの形状は、モチーフデザインによく用いられています。花びらや植物の1枚ずつとしてや、蝶々の羽としても表現できます。
また水滴にも似ている形状のため、水をイメージしたジュエリーデザインとしても人気です。さらに複数のマーキスカットダイヤモンドを配置すれば、動物などの複雑なモチーフもデザインできます。
たとえば、中心に円のダイヤを配置し、その周りを囲むようにマーキスカットを付けると、花びらが開いたような雰囲気です。
また4つのマーキスカットの先端を中心に向かって配置すると、蝶々のような花のような形が楽しめます。マーキスカットは規則的に配置するだけでなく、左右どちらか片方に粒を置いたり、王冠のようなデザインで複雑な場所に配置したりすることも可能です。
小粒をより大きく見せることができるカット方法である
マーキスカットは小粒を大きく見せるため、最小では4×2mmのものもあります。通常カットは58面体ですが、より粒の輝きを引き出したい場合は18面体にします。
気を付けたいマーキスカットの注意点
マーキスカットは1粒が小さくなりやすく、複数を組み合わせるため、1つずつの品質が揃っていることが重要です。
品質が異なる粒を組み合わせたものは、価値が落ちるため注意しましょう。小粒でも輝きが出るがゆえに、品質の悪い粒を混ぜたアクセサリーもあります。
マーキスカットダイヤモンドのジュエリーを選ぶ場合は、正確なカットがされているか、品質の悪いダイヤを混ぜていないか確認してください。
値段を抑えて豪華な雰囲気にしたいときにおすすめ
マーキスカットダイヤモンドは、同じカラット数のダイヤと比べて大きく見えます。結果的にジュエリーにかける費用がお手頃になる商品もあります。
複数のダイヤを組み合わせながら、値段を抑えたいときはマーキスカットを選んでみましょう。
高価なダイヤだと特別な日でしか付けられませんが、価格を抑えれば普段使いに活用できます。マーキスカットダイヤモンドは、ブローチのようなアクセサリーでも選べるため、普段から使えるダイヤを探しているなら、マーキスカットダイヤモンドがおすすめです。