高級ジュエリーブランド梶光夫(カジミツオ)の成り立ち
2020年4月14日 火曜日
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人気歌手として世間を沸かせたのち、ジュエリーデザイナーとして成功を収めた異色の作家、梶光夫。ここでは、その多彩な経歴と、彼が生み出す魅力あふれるジュエリーの特徴、買取相場についてご紹介します。
梶光夫の創業秘話:人気歌手からジュエリーデザイナーへの華麗なる転身
梶光夫というと、1960年代に大ヒットした「青春の城下町」を歌う歌手としてのイメージを持たれる方もいるでしょう。1963年にコロムビアレコードより「黒髪」で歌手デビューし、その後「青春の城下町」で一躍有名になり、テレビや映画にも出演するなど、まさに青春スターと呼ばれるにふさわしい活躍を見せていました。
ところが、彼はもともと大阪で時計や宝石を扱う「スイス時計店」の長男で、将来はジュエリーの道へ進むことを父親と約束していたそうです。そこで1971年にはその約束を守り、ジュエリーの世界へ転身すべく、突如芸能界を引退したのでした。
そして第1回インターナショナルパールデザインコンテストへ出品すると、いきなりグランプリと銀賞をダブル受賞する快挙を遂げます。
その後はアメリカG.I.A.(米国宝石学会)に留学し、宝石学とジュエリーデザインを習得。国際的な宝石の資格G.G.(グラジュエイトジェモロジスト)の称号を得るなど、順調にキャリアを築き上げていきました。
1975年には「日本ダイヤモンド鑑定所」を設立し、宝石鑑定家として成功。さらに1983年にはクラシックモダンをテーマにした「エマーユジュエリー」を発表し、ジュエリーデザイナーとして本格始動しました。
これが世界に誇るKAJIジュエリーの始まりです。
現在は株式会社カジ・インターナショナルの名でMITSUO KAJI JEWELRY ARTなどのブランドを展開しています。
梶光夫ブランドの特徴:未来のアンティークジュエリーが目指されている
梶光夫の創作の原点は「未来のアンティークジュエリーを目指す」こと。それゆえ、彼の作品は圧倒的なスケール感が特徴となっています。わが国で最上級クラスの宝飾品を追求した「ザ・ベストコレクション」、ユネスコの協力の元に創り出した「世界遺産ジュエリー・モンサンミッシェル」など、宝飾品の枠を超えた壮大なテーマが秘められているのが魅力です。
中でも、2002年に発表された最高品質の22.78ctダイヤ「ザ・グレートアショカダイヤモンド」は業界でも大きな話題となりました。
近年の活躍も目覚ましく、2017年にはフランスのエマーユと日本の漆伝統工芸である蒔絵を施したべっ甲を融合させた新しいジュエリーを発表。東洋と西洋の美をあわせもった作品は、梶光夫の衰えぬ創作意欲を表したものとして再び注目を集めました。
「100年後も愛され輝き続けるジュエリー」をコンセプトとする梶光夫の作品は多くの人に支持され、その普遍的な美しさからコレクターからも高い評価を得ています。
梶光夫ジュエリーの買取相場:作品によっては50万円以上で取引される場合も!
作品のコンセプトのとおり、時が経っても魅力が衰えないのはKAJIジュエリー最大の特徴です。熱心なコレクターも多数存在していることから、宝石買取市場でも安定した価格で取引されています。
参考までに梶光夫作品の業者間取引価格を挙げると、美しいグリーンの色味が印象的な「ペリドッドダイヤモンドエメラルドリング」は60,000円~85,000円前後、高貴な夫人の肖像が描かれた「アンティークエマーユダイヤモンドリング」は55,000円~100,000円で取引されています。ルビーが施された特注品の場合は、17万円台の高値がつくこともあるようです。
3カラット超のダイヤモンドを施したプラチナリングの場合は50万円以上の高値で取引されています。
この中でも特に、「クラシック&モダン」をテーマとした「エマーユジュエリーシリーズ」は富裕層の女性コレクターからの人気が根強く、買取市場でも常に注目されているようです。
違いの判るプロに託したい価値ある梶光夫ジュエリー
梶光夫のジュエリーは、目の肥えたコレクターを熱狂させる普遍的な価値を誇っています。現在も国内外で多彩な活躍を見せていることから、今後もさらに注目が高まっていくことが予想されます。
「未来のアンティークジュエリー」を目指して制作されているため、時間が経っても魅力が衰えず、買取市場でも高値で取引されているのが特徴的です。
その分、梶光夫のジュエリーを売る際には、その価値を十分に理解したプロフェッショナルが在籍する店舗で買い取ってもらいたいところ。ダイヤモンドやルビー、サファイヤといった宝石の鑑定に長けたプロに委ねるのが、高価買取のポイントとして挙げられるでしょう。