近年支持度が上昇中!「エシカル・ダイヤモンド」とは

2020年4月14日 火曜日

近年支持度が上昇中!「エシカル・ダイヤモンド」とは

INDEX

  1. 1. エシカル・ダイヤモンドとは「倫理的」なダイヤモンド
  2. 2. コンフリクトフリー・ダイヤモンドとの違い
  3. 3. 主な取り扱いブランド
  4. 4. 人道的にも透明なダイヤモンドを

誰もが憧れる宝石・ダイヤモンド。しかしその輝きの背後には、紛争の資金源となる「コンフリクト・ダイヤモンド」と、反対に人や社会、自然に配慮して採掘された「エシカル・ダイヤモンド」の違いがあることをご存知でしたか。エシカル・ダイヤモンドとはどのようなダイヤモンドなのでしょうか。

コンフリクトフリー・ダイヤモンドとの違いや、どこで手に入るのかを併せてご紹介したいと思います。

エシカル・ダイヤモンドとは「倫理的」なダイヤモンド

エシカル・ダイヤモンドについて語るには、その反対のコンフリクト・ダイヤモンドに注目せざるを得ません。コンフリクト・ダイヤモンドとは、紛争地域で産出され、反政府組織などの資金源となってしまっているダイヤモンドを指します。1990年代、アフリカの複数地域で、反政府組織がダイヤモンド鉱山を占拠する事態が相次いで発生しました。

ダイヤモンドの採掘・売買によって得られる資金を、武器の購入や紛争の資金とすることが目的だったのです。

美しさの象徴であるはずのダイヤモンドが紛争の長期化や深刻化を招き、多くの子どもや大人が強制的に労働に従事させられ、労働力を搾取されていました。ダイヤモンドが武器の売買などの資金源になっているだけでなく、その産出の背景には児童労働、強制労働、労働力の搾取などといった、さまざまな社会的問題が複雑に絡み合っていたのです。

それに対して「エシカル」(ethical)とは、「倫理的な」という意味をもつ言葉です。エシカル・ダイヤモンドと呼ばれるダイヤモンドは、人・社会・自然に配慮して採掘が行われており、闇取引や武器の売買の資金源にならず、紛争に関わらないダイヤモンドを指しています。

エシカル・ダイヤモンドとは、倫理的にも優れたダイヤモンドに贈られる称号なのです。

コンフリクトフリー・ダイヤモンドとの違い

以前は、コンフリクト・ダイヤモンドと対する言葉として、「コンフリクトフリー・ダイヤモンド」という言葉がよくつかわれていました。エシカル・ダイヤモンドは、コンフリクトフリー・ダイヤモンドと、どのように異なっているのでしょうか?

コンフリクトフリー・ダイヤモンドとは

コンフリクトフリー・ダイヤモンドとは、内戦や紛争、反政府組織などの資金源とならないダイヤモンドを指す言葉です。
2003年、コンフリクト・ダイヤモンドの流通を防ぐことを目的とし、ダイヤモンドの原石に原産地証明書を添付することが義務付けられる「キンバリー・プロセス証明制度」が確立されました。

この証明制度をクリアしたダイヤモンドを、コンフリクトフリー・ダイヤモンドと呼んでいます。

エシカル・ダイヤモンドとの違い

しかし、コンフリクトフリー・ダイヤモンドの定義には、さまざまな課題もありました。

  1. 一つ目は、これは紛争地で採掘されるダイヤモンドの原石のみを対象とした概念であること。
  2. 二つ目は、実際には紛争地からダイヤモンドの原石が密輸入されてしまっていること。
  3. 三つ目は、これは採掘場や研磨工場での労働環境を保証するものではないことなどが挙げられます。

それに対してエシカル・ダイヤモンドは、まず原石だけではなく、ダイヤモンドの研磨や流通過程などすべてが紛争の資金源とならないことを保証されています。そして鉱山や研磨工房において人権侵害がなく、公正な労働行為に基づいているだけに留まらず、環境にも配慮して採掘が行われています。

トレーサビリティを持ち、産地を特定できることも、ダイヤモンドの人道的安全性を高めています。エシカル・ダイヤモンドは、コンフリクトフリーであることはもちろん、それよりもさらに厳しい基準に基づいたダイヤモンドなのです。

主な取り扱いブランド

それでは、このようなエシカル・ダイヤモンドは日本ではどこで購入することができるのでしょうか?日本で代表的な、エシカル・ダイヤモンドを取り扱っているブランドには、「サバース」「EARTHRISE」などがあります。

サバース

2020年に創業100年を迎える「株式会社内原」「UCHIHARAホールディングス」の自社ブランドである「サバース/SA BIRTH」。サバースでは、すべてのダイヤモンドのメインストーンの生産履歴が把握でき、これらがエシカル・ダイヤモンドであることを保証しています。老舗宝飾店ならではの、洗練されたデザインのダイヤモンドジュエリーが特徴です。

EARTHRISE

EARTHRISEは、エシカル・ジュエリーに特化したジュエリーブランドです。ジュエリーの背景にある素材の物語までクリアにし、ジュエリーを付ける人、作る人、美しい自然を大切にしたいというミッションに基づき生産・販売を行っています。EARTHRISE独自の厳しい基準をクリアした、オーストラリアやカナダ産エシカル・ダイヤモンドを用いた繊細なデザインが特徴です。

人道的にも透明なダイヤモンドを

透明に輝くダイヤモンドは、永遠の美の象徴。せっかくダイヤモンドを購入するなら、その原石のルーツまでさかのぼってもクリーンかつエシカルなものを選びたいものです。

人のため、社会のため、環境のために配慮したエシカル・ダイヤモンドを身に着けることで、社会をよりよい場所にすることができるとしたら、それはとても価値あることいえます。

守屋啓
著者・監修:守屋 啓(もりや はじめ)
一般社団法人 宝石鑑別団体協議会(A.G.L)所属のAGTジェムラボラトリーにてグレーダーとして色石・ダイヤの鑑別に従事。その後、世界的に権威のある鑑別機関、GIA JAPANのG.G.(グラジュエイト・ジェモロジスト)プログラム講師として活躍。GIAが日本撤退後は、各地で宝石鑑別の講師として活躍する第一人者。