【イエロー・ダイヤ】オールナットの歴史と種類
2020年4月14日 火曜日
目次
まるで太陽の光のような輝きを放つイエロー・ダイヤモンドは、カラーグレード(色の濃さ)によって価値が大きく異なります。有名な宝石としてオールナットやティファニー・イエロー・ダイヤモンドなどがあります。
イエロー・ダイヤモンドは明るい黄色で顔の印象も明るくする
カラーダイヤモンドのなかで、イエローの輝きをもつのがイエロー・ダイヤモンドです。カラーダイヤモンドのなかでも明るい色であるイエローを装飾品として着けることで、顔の印象もパッと明るくなります。
原産国は南アフリカ・ケープタウン。イエロー・ダイヤモンドは現在、インドやブラジル、オーストラリアといった他の地域でも採取されていますが、その産出量は南アフリカに比べると少量です。
濃いイエロー・ダイヤモンドは非常に高価
ダイヤモンドに色がつくのは、含まれる窒素原子と炭素原子の割合によって反射する光が異なるためです。他のレッドやブルーなどの色でも同様で基本的には窒素原子が多くなることで鮮やかな色になりますが、イエローに関しては少量の窒素でも薄く色がつくこともあります。
そのため、グレードの低いダイヤモンドは黄色味を帯びている点があることから、過去には価値が低いダイヤモンドとされてきました。
こうした薄めのイエロー・ダイヤモンドは多く採取されるため価値の低いものと評価されますが、色の濃いものに関しては非常に貴重なダイヤモンドとなり、現在では高価な値で取引されています。
世界的に有名なイエロー・ダイヤモンド「オールナット」
世界的に有名なイエロー・ダイヤモンドといえば、「オールナット」でしょう。この名前は、宝石を所有していたイギリス人慈善事業家のアルフレッド・アーネスト・オールナットの名前が元になっています。
カルティエがオールナットを加工し人々を魅了するイエロー・ダイヤモンドへ
オールナットは入手したイエロー・ダイヤモンドを宝飾の会社にカッティングや加工を依頼しました。その会社というのは現在でもジュエリーやアパレルブランドとして有名なカルティエです。世界的にも有数の宝飾企業の専門家の手によって、オールナットのもっていたイエロー・ダイヤモンドは多くの人を魅了するブローチへと加工されました。
その後このブローチは競売にかけられ、シバ・コーポレーションに売却され、その値段は約3億4600万円でした。2003年には、スミソニアン博物館で開かれたダイヤモンドの展示会で初めて一般公開。この時「ミレニアム・スター」や「ハート・オブ・エタニティ」なども公開されており、世界的に知られているダイヤモンドと共にオールナットが展示されたのです。
イエロー・ダイヤモンドは大きくわけて2種類
イエロー・ダイヤモンドはその色の濃さによって種類がわけられます。単純にイエローといっても、その色の濃さにより価値は大きく異なるのです。
一般的なイエロー・ダイヤモンド
ダイヤモンドのカラーグレードはDからZがありこれらに含まれるイエロー・ダイヤモンドは多く取れるものでフェイントイエロー、ベリーライトイエロー、ライトイエローなどがあります。多く採掘することのできる薄いイエローのものはこれらの部類に入り、ランクのなかでも下の方にあるZに近いものです。
価値の高いファンシーカラー
色が濃いイエロー・ダイヤモンドはファンシーカラーとなり、DからZのどのカラーグレードにも当てはまらず、非常に高価な部類のダイヤモンドとなります。他にもファンシーカラーのダイヤモンドとしてはレッドやブルーなど様々ありますが、その6割近くはイエロー・ダイヤモンドです。
最大級のファンシーのイエロー・ダイヤモンドとして、ティファニーダイヤモンドがあります。世界でも有数な宝飾ブランドが非常に大きなダイヤモンドで製作したネックレスで、オードリーヘップバーンが映画で着用していたということでも有名です。
イエロー・ダイヤモンドは温かく荘厳に輝く
イエロー・ダイヤモンドは、1950年代にアルフレッド・アーネスト・オールナットが購入し、カルティエに加工を依頼。その結果世に広く知られるようになりました。オールナット以外にも多くのイエロー・ダイヤモンドがありますが、いずれも温かく、荘厳に輝いています。
簡単に購入できるものではありませんが、ファッションのなかに取り入れたら、太陽のように明るい輝きを放てそうですね。